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砂防ダムと砂浜

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砂防堰堤(=砂防ダム)とは、集中豪雨やそれに伴う土石流などの災害が発災した際に、川の下流に土砂が流れるのを防ぐために作られる構造物です。国土が山がちな日本では河川が急勾配であることが多く、土砂災害を防止する目的から各地に多くの砂防堰堤が作られてきました。

砂防堰堤はその構造から大きく『不透過型砂防堰堤』と『透過型砂防堰堤』の2つに分けられます。不透過型砂防堰堤(以下、不透過型)は、皆さんの思い描く一般的なダムの構造をしています。放っておくと河川の土砂運搬作用で土砂が堆積するため、時々土砂を取り除かなければなりません。しかしながら、土砂でいっぱいになっていても堰堤より上流は川の勾配が緩やかになるため、土石流発生時には土砂を堆積させて下流へ流れていくことを防ぐ機能があることが知られています。

透過型砂防堰堤(以下、透過型)は網の目のような構造になっていて、普段は土砂を貯めることなく下流に流します。そして、土砂災害発生時には流れてきた大きな岩や流木が網の目を塞ぎ、大量の土砂を堰き止める構造になっています。透過型は従来の不透過型では土石流の流木を捕捉する機能が不足していることから、流木対策として新たに開発されました。

岩石は下流へと流されている間に、流れにもまれてだんだん細かくなっていきます。このようにしてできた砂や泥は海まで運搬されると、一般的に砂浜や干潟を形成します。結果として、砂浜は上流の地質の違いによって様々な色合いを呈するのです。

参考文献
水山高久, 流砂系における土砂動態と土砂管理そして砂防 土木学会論文集, 754(Ⅱ-66) p1-8, 2004
水山高久, 鋼製透過型砂防堰堤の砂防計画上の位置づけの変遷 砂防学会誌, 75(6) p49, 2023
原田紹臣, 高山翔揮, 里深好文, 水山高久, 中谷加奈 不透過型砂防堰堤における鋼製部材を用いた流木対策工の捕捉機能に関する基礎的な実験 土木学会論文集B1(水工学), 73(4)Ⅰ_1351-Ⅰ_1356, 2017

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