集めて、見せて、楽しもう!
HOMEコラム砂浜観察砂浜のつくり > 風による砂の移動

風による砂の移動

Category

風による砂の移動は飛砂(ひさ)と呼ばれます。飛砂は季節風などの強風により引き起こされます。昔から人々は海岸に潮風に強い松を植えることで、民家や畑への砂の侵入を防いできました。また、飛砂は砂浜の背後に砂丘をつくることでも知られています。例えば、国の天然記念物である鳥取砂丘は、日本海からの強風によって形成されました。

砂が風で運ばれるとき、その運搬形態は大きく分けて転動、跳躍、浮遊の3つに分けられます。⑴ 転動とは砂粒が地面を転がりながら移動するもので、砂が風で持ち上がらない場合に起こる現象です。⑵ 跳躍は、砂粒が跳ねながら移動するもので、風で持ち上げられた砂粒は弧を描きながら落下します。そして、微小で軽い砂粒が空中に舞い上がり、風に乗って飛んだように移動するのが⑶ 浮遊です。砂丘では浮遊はほとんど起こらず、飛砂の約8割は跳躍、約2割は転動であるといわれています。

また、砂丘において、砂は一般に風速4-5 mで動き始めます。風速が5~8 mのときには砂面に美しい風紋ができます。10 mを超えると砂柱のような侵食地形ができることが知られています。

参考文献
森井愛, 小玉芳敬 鳥取砂丘における植生被覆に伴う飛砂量の減少 地域学論集;鳥取大学地域学部紀要 3(1) p123-133, 2006
西隆一郎, 水川隆太 砂丘風食と飛砂に関する基礎的研究 海岸工学論文集, 土木学会 48 p591-595, 2001
教師のための山陰海岸ジオパーク 野外学習ハンドブック > 鳥取砂丘の風・飛砂の特性 (2025年1月17日閲覧)
https://www.rs.tottori-u.ac.jp/geopark-handbook/c14.html

当サイトは、独立行政法人国立青少年教育振興機構令和6年度子どもゆめ基金「教材開発・普及活動」の助成により制作しました。
非営利目的の青少年教育活動で使用される場合にはご連絡ください。
Copyright 2025 - 砂浜観察サポート図鑑  All Rights Reserved.