波の作用によって海の岸近くに発生する波のことを海浜流といいます。海浜流は、斜めに打ち寄せた波が海へと引ききれずに岸に沿って流れる沿岸流と、岸から離れる向きに流れる離岸流という二つの波から構成されています(図)。
図 海浜流のイメージ 「海辺に親しむ(山海堂)」より引用
また、日本は四方を海に囲まれた島国であり、その海岸線の総延長は34000 kmにも及びます。そのため海流の影響を強く受け、海の底の砂が海流や波に寄せられて陸地の方へと移動することがあります。そのほか川の流れによって運ばれてきた土砂や、波の侵食で削られた崖の土砂なども海岸に到着します。これらの移動する砂のことと砂が移動する現象のことをまとめて『漂砂』と呼びます。
そして、先述した沿岸流がこれらの砂を運び、波が岸に打ち上げることで砂浜が形成されます。砂浜を構成する砂の成分は海岸近くの地質や、近くの川から運ばれてくる土砂の成分、海から打ち上げられる土砂などの影響を強く受けます。そのため砂浜の色合いや粒度の大小は場所によって異なるのです。
参考文献
一般社団法人日本埋立浚渫協会 > Umidas 海の基本講座 #7 漂砂(閲覧日:2025年1月4日)
https://www.umeshunkyo.or.jp/marinevoice21/umidas/250/index.html
国土交通省 国土技術政策総合研究所 河川研究部 海岸研究室 > 海岸研究室資料館 > 海水浴での水難事故を未然に防ごう!~波打ち際での離岸流の再現実験~ (閲覧日:2025年1月4日)
https://www.nilim.go.jp/lab/fcg/siryou/rigan.html
「海辺に親しむ」編集委員会, 海辺に親しむ:海岸を知り、楽しむためのガイドブック 山海堂 (2003)