礫や砂など、水のしみこみやすい場所の上を川が流れるとき、川の水が地中に潜り込むことがあります。このような地中を流れる河川水のことを、伏流水と言います。砂浜海岸など、海岸部には伏流水がしばしば流れています。
伏流水には、河川から流されてきた陸地由来の栄養分が多く含まれています。そのため、海岸を流れる伏流水は海岸部に陸地由来の栄養分を供給する役割を担っているといえます。
また、海岸の伏流水には特有の生物が生息することも知られています。礫浜海岸に生息する魚類であるミミズハゼの仲間には、伏流水中に生息している種類がおり、海岸の伏流水が湧き出す場所を掘ると見つけることができます。
参考文献
A.C. Brown, A. McLachlan [著] ; 須田有輔, 早川康博訳. 2002. 砂浜海岸の生態学. 東海大学出版会. 東京.
国土技術政策総合研究所「伏流水(ふくりゅうすい)」
https://www.nilim.go.jp/lab/rcg/newhp/yougo/words/084/html/084_main.html
徳島県立博物館 博物館ニュース131「海部川河口の伏流水中から見つかった正体不明のミミズハゼの仲間」
https://museum.bunmori.tokushima.jp/museum_documents/museumnews/mnews131/131_2-3_cc.html