キンセンガニ Matuta victor(Fabricius, 1781) は十脚目キンセンガニ科に属する、甲羅の長さ(甲長)がおよそ5 cmほどのカニです。砂浜海岸の波打ち際に生息し、巧みに砂に潜ります。甲羅は丸く、両側に長い棘が突き出ています。鋏脚を除く4本の歩脚全てがヒレのついた遊泳脚となっています。富山湾および東京湾以南の浅海から、中国沿岸〜インド太平洋〜南アフリカにまで広く分布する普遍種です。
キンセンガニは潮間帯で砂を振るっていたりすると網に入ることがあります。またビーチコーミングの際には殻が打ち上げられているのをよく見かけます。生きている個体を拾った際には海水に入れてあげると、遊泳脚をパタパタと動かして泳ぐ姿を観察できるかもしれません。キンセンガニ 2025年1月2日 兵庫県姫路市にて採集
キンセンガニの腹面
参考文献
内海冨士夫, 原色日本海岸動物図鑑 改訂第三版 保育社, 1982