砂の減ってしまった砂浜に、外から砂を持ってきて足すことを養浜といいます。持ってくる砂は近くの海岸由来のものであったり、外国の砂であったりとさまざまです。例えば、和歌山県西牟婁郡白浜町の白良浜(しららはま)は鳴き砂でも有名な綺麗な砂浜でしたが、漂砂と飛砂、台風の襲来などにより面積が減少していました。そのため、1989年から2010年までオーストラリア西部パースのフリーマントル鉱山から14万トンもの砂を輸入し養浜が行われました。養浜のためか砂は鳴かなくなってしまいましたが、白良浜と白浜は今でも観光名所として屈指の人気を誇っています。
めずらしいことに、白良浜の養浜に関連して外来種も記録されています。オーストラリアから持ち込まれた砂に耐久卵が混じっていて、そこから拡散したとみられるシラハマオーストラリアカブトエビTriops strenuus Wolf, 1911が2018年Nakagawaにより白浜町にて記録されました。なお、シラハマオーストラリアカブトエビが生態系に及ぼす影響は今のところよく分かっていません。
参考文献
土屋義人, 河田恵昭, 芝野照夫, 山下隆男 白良浜の海浜過程とその保全(1)京都大学防災研究所年報. 27(B-2). 513-555
マイ大阪ガス > 炎の探偵社調査FILE15 白良浜の白い砂は、どこからやってきた? (2025年1月13日閲覧)
https://services.osakagas.co.jp/portalc/contents-2/pc/tantei/1270841_38851.html
朝日新聞デジタル > 豪鉱山の砂を投入した白良浜 白さと広さが戻っても鳴かない砂 (2025年1月13日閲覧)
https://www.asahi.com/articles/ASRD26WPCRD2OXIE007.html
和歌山県環境生活部環境政策局 環境生活総務課自然環境室, 和歌山県の外来種リスト 2019
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/032600/gairai/list.html